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Apex / UNLEASH THE ARCHERS
火薬バカ一代 ★★★ (2017-08-04 07:18:07)
数年前に行われた来日公演におけるメタル・ゴッデスぶりが未だ記憶に鮮烈なブリトニー・スレイズ(Vo)率いる、カナディアン・パワー・メタル軍団、’17年発表の4thアルバム。
メタル者の血を滾らせるエピカルな音楽性はそのままに、ブリトニー嬢と共に曲作りの一角を担っていたデス・メタル好きのギタリストが脱退したせいか、前作辺りまで目立っていたグロウルを用いたコーラスやブラスト・ビート等、デス・メタリックな要素は減少傾向。それよりもオールドスクールで正統派な方向へとサウンドの焦点が絞り込まれた印象です。
ジャーマン・メロパワ風のサビメロを持つ①で本編の幕が上がった時は「え?そっち行っちゃうの?」と不安に駆られなくもありませんでしたが、次曲以降は小気味良く疾走する②⑤、パワフル且つ好戦的な③、劇的な曲展開にメタル魂がメラメラと燃え上がる④、ライブ会場で無数の拳が突き上げられる光景が目に浮かぶような⑦…といった具合に、UTA印の勇壮なる楽曲が連続。ラストを〆るIRON MAIDENに対する溢れんばかりの敬意が託された大作ナンバー⑩、サウンド的にもコンセプト的にもハマり過ぎるぐらいハマっているQUEENSRYCHEの名曲カヴァー⑪に至るまで、無駄も隙もない本編には唸らされっ放しという。そして勿論、時に女王の如く威厳たっぷりに、時に戦士の如く凛々しく、そして時に女神の如く麗しく、それらを堂々歌い上げるブリトニー嬢の歌唱こそが本作の主役であることは今更言うまでもありませんわな。
演っている音楽とプロダクションの方向性に若干の齟齬を感じなくもないのですが、ここまで強力なHMアルバムであればそれも大した問題じゃないですよね。

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