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Detonation / BLOODGOOD
火薬バカ一代 ★★★ (2017-08-06 23:48:53)
ワシントン州シアトルにてマイケル・ブラッドグッド(B)により結成され、後にプロデューサー業やソロ・アーティストとしても活躍するデヴィッド・ザフィーロがフロントマンを務めていたことで知られるバンドが、’87年にFRONTLINE RECORDから発表した2nd。
STRYPER、WHITECROSS、BARREN CROSSを含めた「4大クリスチャン・メタル・バンド」(そんな括りがあったんかい)の中では唯一国内盤がリリースされていないこともあり、日本での知名度は今一つな印象ですが、作品の質の高さでは上記3バンドに勝るとも劣りません。
派手なライブ・パフォーマンス等がキリスト教右派から批判され、本国よりも欧州での人気が先行したという逸話に相応しく、本作において彼らが聴かせてくれるのは、ヨーロピアンな風情も漂わす硬派な正統派HM。特にイントロからフラッシーに炸裂するG、ゴリゴリと骨太なアクセントを加えてくるB、粗い声質のシャウトがメタル向きのシンガーが歌う、思わず合唱を誘われるキャッチーなメロディを伴い疾走するOPナンバー①は、挨拶代わりの一撃とでも言うべき名曲。更にACCEPTばりの重低音コーラスをフィーチュアした勇壮な②がその後に続いた時点で、個人的には本作の出来の良さを確信させられた次第。そして勿論その期待は裏切られることなく、本編にはこれ以降も、讃美歌調に響き渡る重厚なサビメロがドラマティックな⑥、攻撃的な曲調とミュージカル仕立ての歌詞(キリスト処刑にまつわるピラト総督の伝承)を組み合わせた⑧等、印象に残る楽曲が途切れることなく連続します。
インディーズ制作ゆえのパサついた音作りには難ありなれど、気合迸る本編はそれを補って余りあるカッコ良さ。彼らの他の作品もチェックせねばという気にさせられる1枚です。

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