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Re Un / NÉVOA
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2017-08-20 12:09:28)
2016年発表の2nd。

ポルトガル産のアトモスフェリックブラック、2014年結成の比較的新しめのバンド…というくらいの前情報しかなかったんですが、これは相当良い作品ですよ…。近年のDEATHSPELL OMEGAがスピードや暴虐性でなく、ドゥーミーなミディアムと実験性を重視した感じというか、VIRUSが印象深い前衛性そのままに、ブラックユーモア的な部分を排して暗黒方面により深く傾倒した感じというか…その辺りの一流のバンドを比較対象にしたいくらい、記憶に刻む力のある作品。流石名門Avangarde Musicから出てるだけの事はあります…。

ブラックメタルらしい不穏なリフでダークな情景を描いていくのが基本ではありますが、バンドサウンドやSE的な部分のアイデアの豊富さ、音作りの丁寧さが凄く特徴的。リフ捌きを軸としたバンドアンサンブルの前衛性なんかはDEATHSPELL OMEGA辺りと通じるものがあり、ブラックのテンプレ的な音から積極的に逸脱しようとする意気込みが感じられる(しかもその結果印象を深く刻むことに成功している)し、導入部からして弦の擦れる音が儀式的な雰囲気を感じさせるなど、音作りも執念を感じるほど拘ってると思う。アトモス系でも稀有な、「超常的な何かが宿っている音」ではないでしょうか。

…ただ、一つ文句を付けるとしたなら、ブックレットがギュウギュウに詰まっていて取り出しづらい事でしょうか…無理矢理出そうとしたらデジパック歪んだし…。デジタルメインのリリースっぽいから仕方ないんでしょうか。ともかく、DEATHSPELL OMEGAやVIRUS、後期ALTAR OF PLAGUES、脱プリブラ期のNACHTMYSTIUMなど、前衛性と暗黒な雰囲気を兼ね備えたブラックが好きであれば聴いて損はないと思います。素晴らしいです。

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