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The Firm / THE FIRM
クーカイ ★★ (2001-09-05 23:34:00)
'85年発表。1作目。
ジミー=ペイジとポール=ロジャースが組んだ"スーパーバンド"。それがTHE FIRMである。
リズムセクションは、ベースをトニー=フランクリン、ドラムをクリス=スレイドが務める。そう、トニーは後にBLUE MURDERに、クリスはAC/DCに加入する。スーパーバンドという呼び名はともかく、実力派がそろったバンドであった。
しかし本作の内容はというと・・・。地味である。目茶苦茶、地に足をつけた音楽。華やかなところ煌びやかなところが一切無し。ブルーズベースのハードロックなのだが、LED ZEPPELINやBAD COMPANYと同等のものを期待すると見事な肩透かしをくらう。
でも、私はこのアルバムと次作が好きでしょうがないのである。
ジミーのつくるリフはなんか冴えないのだけれど、逆にそのもったりした雰囲気というか音が、たまらなく魅力的なのだ。そこにポールのどことなく虚空を移ろうような歌がのっかると、もういけない。
一聴しただけでは、とてもつまらない作品と思ってしまうかもしれない。だが、聴き込むほどに幽玄の美が感じられる。
個人的にはアルバム随一のハードロック曲である①、ほんわかした④、大昔のバンドのカバー⑥、霧の立ち込める湿原の上に星空が見え、ぽっかりと満月が浮かんでいるかのように清明で幻想的な(ってどういう例えだろ)⑧と⑨が好きだ。特に⑧と⑨の流れはいつ聴いても感動してしまう。

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