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Living Alone / JOE-ERK
火薬バカ一代 ★★ (2017-09-01 00:10:28)
竹内光雄というと、元XのTAIJIが結成したD.T.R.のフロントマンとして知られていますが、個人的にはこの人の名前を聞いて真っ先に思い出すのは『メタルフォーク』なんですよね。一世を風靡したANIMETALブームにいっちょ噛みすべく現れた無数の便乗作品の中にあって頭抜けたクオリティを誇った1枚で、こちとら未だにシングル盤を持ってますよ。
…って前置きが長くなりましたが、あのプロジェクトで堂々たる歌唱を披露していた彼氏が、現在は作曲/編曲家として活動する清水武仁(G)と組んでいたバンドが’93年に残したEPが本作。後に未発表曲を追加したフル・アルバムの体でTOY’S FACTORYからお色直し盤がリリースされています(それでも全7曲、30分強のボリュームですが)。《原石…ゴロリ…ピカリ!》という妙に脱力を誘われる帯の惹句が、逆に記憶に残っているという。
サウンドの方は、スラッシーに刻まれるササクレGリフの上で硬質なシャウトが轟く名曲①に代表されるような、モダンな都会派メタル。EZOに90年代的エッジを加味した感じの音…と言うと、どんな作風か伝わるでしょうか?インディーズ制作ゆえ音質のハンデは如何ともし難く、また②以降の楽曲も少々華に欠ける印象ではありますが、それでも「6種類の声を持つ男」と評されたアクセル・ローズよろしく、噛み付くようなシャウトから、男臭い朗々とした歌い回し、更にはバラードを切々と歌い上げたりと、多彩な歌声を駆使して本編の主役を張る、竹内の歌いっぷりを堪能するには十分な品質が備わっているのではないかと。隠し味のKeyに、嘶く清水のGを活かした⑤みたいな秀曲も収録されていますしね。
本作を購入した中古盤屋の店長さんが、その才能を惜しんでいたのも納得の1枚ですよ。

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