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Street Ready / LEATHERWOLF
失恋船長 ★★★ (2017-09-15 15:09:31)
前作の成功を受け、その流れを引き継ぎつつも、よりメジャー感増した音楽性で勝負を掛けた意欲作。メジャー感といっても変な色気を出したポップロックには手を出していないので、あくまでもシャープなメタルテイストを残しつつもブライトなアメリカン臭を強めたということであり、その分、光沢のある艶めかしいコンクリートサウンド臭は抑えたということです。
その反動なのか演奏も楽曲も無難な感じが強まり個性ともいえるトリプルギターも生かせていませんが、ここまで積み上げてきたアレンジセンスをさらに研磨した音楽性は、更なる広がりを見せ、特にメロディの充実ぶりは過去最高を言えるでしょう。メタリックだが流麗なコーラスワークを随所に盛り込み、聞きやすさを誘発しているのは流石の一言です。それでいながらも攻撃性を落とさないメタルバンドの矜持をどの楽曲からも随所に感じますね。
シンプルだが鋭角的なリフワークと刺激的なソロ、直線的ビートをたたき出すリズム隊の堅実さ、彼らは見事に自分たちの持ち味を殺さずに、メジャー流通を意識した作品を作りだしましたね。
個人的には、多様性を残しつつもメタル一直線な音楽性に集約した器用さと、個性を殺せを言われた忍耐力に頭が下がるし、実に前向きでバラエティに富んだ一枚だと思います。1989年の正統派HM/HRらしいなぁと唸らされる音ですよ。
とはいいつつもへヴィメタルってのは、破壊力、スピード、攻撃性、瞬発力などいわゆる分かりやすく、キャッチーでなければいけないと、いう趣味嗜好の方にはチョイと敷居の高い音楽性ではあるかと思いますので、お気を付けください。
普遍的HM/HRが大好物だという同士の胸にはビンビンに鳴り響く正攻法で攻め込んだ意欲作として耳が喜びますよ。
→同意