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Take a Chance / CLIMB
失恋船長 ★★★ (2017-10-04 15:25:46)
我が国日本限定でリリースされた、読売巨人軍の助っ人選手ウォーレン・クロマティが死球を受け骨折、シーズン最終戦まで棒に振ったのに、そのオフにリリースされたクライム唯一のアルバム。骨折した男がいつドラムを叩いたんだという疑問もさることながら、野球選手のバンドという色モノ感がハンパなく漂い、セールス的に振るわなかったのですが、リリース当時は歌番組は勿論ですが、バラエティ番組などにも出演して音源を紹介していましたね。
西武との日本シリーズで見せた緩慢な守備とは違い、ここではテンポよくドラムを刻むクロマティ、思わぬ才能とセンスを見せましたが、曲調的にもソフトなAOR調のロックサウンドだしキーボードもバリバリだし、ドラムも電子加工され過ぎ出しと、結局、クロマティ氏の実力の程は伺いしてませんが(骨折して野球できないのにドラム叩いているって理解が及びません)、シンガーとして大活躍するジョー・ハミルトンの歌声が素晴らしく、マイルドだが厚みのあるソウルフルな歌声はソフトロックを歌うには十分すぎるほどの存在感は発揮、全然知らない人なのですが、アメリカって国は毎度のことですが、本当に実力者が多いんだなぁと認識させられましたね。
カントリー調からダンサンブルナンバーに王道ソフトロックと幅広く収録、好みに合わせてチョイスして頂ければ、歌モノマニアなら一定の評価を下せる内容かと思いますよ。個人的にはお約束感満載の①、ゲディ・リーが参加したメロディックな歌モノナンバー④、ラス・バラード作の⑥あたりが好みですね。
ちなみに今作はあの人は今的なネタモノアイテム的な扱いを受ける一品なんでしょうが、品質の高さは折り紙つき、キーボードにでイブ・ローゼンサルが参加、バックボーカルにルー・グラムやゲディ・リー、ミッチ・マロイなども参加して華を添えています。
その話題性に頼らなくても十分な内容なので、AOR系の音楽性が好きな方なら安心して聴けるでしょう。
それを証拠に海外のコレクターが血眼になって捜し求め、リプロ盤まで存在するくらいですからね。やっぱクロマティはイメージが悪すぎるよ、シーズンオフの音楽活動でしょ、でも翌年は打ちなくったからね、最高打率も叩いたし、でも守備の手抜きは治らんかった、日本の野球に嫌気がさしたんだろうなぁ、そして引退後直ぐに暴露本でしょ。そりゃ嫌われるよ。でも何となく気持ちが分かります。

晩節を汚しダーティーなイメージがついたクロマティ氏、そのせいで再発が見送られているなら残念ですね。

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