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The Advent / Coven
失恋船長 ★★★ (2017-10-24 21:18:55)
FASTKILLのギタリスト伊東 昭博が女性シンガーTAKAと作り上げたバンドがこちら、2016年にデモ音源をリリースすると立ち待ちマニアの間で話題に上ることとなる。
その勢いは国内に留まらず海外のレーベルの目に留まり、今作はフィンランドのSvart Recordsから2017年の9月にリリース。歌詞は全編日本語、それでも海外のレーベルが手を上げるのだから時代は変わりましたね。ジャケットもクールジャパンよろしくな二次元チックな世界観で表現、個人的にはピンと来るものはないが、なんでもいいので認知され売れるなら大歓迎ですよ。
出している音は麗しのブリティッシュサウンド、哀愁のツインリードが劇走するNWOBHM丸出しのオールドスタイルに咽び泣きます。正直、この手のサウンドの先輩は70年代なら野獣(のけものと読む)。90年代から現在まで精力的に活動する伝説のMetaluciferや舘真二のMagnesiumといますが、このバンドもクオリティはそれらの諸先輩たちに比肩するもので、むしろ、音質的にはスッキリとクリアーに仕上げることで聴きやすさを誘発、ある意味、今っぽさも補完していますね。
とはいえ類型的なサウンドだし、熱心な国産HM/HRマニアな方にとっては、尚更新鮮味など感じないでしょうが、インディ系のCDショップなどではちょっとしたお祭り状態の猛烈プッシュされる一枚。ここは素直に乗ってみるのも一興でしょうよ。4曲入りのEPなので、全容は見えてきませんが、適度な疾走感をまとった哀愁のNWOBHMサウンドが好物な方なら大いに楽しんでもらえるでしょう。
線の細い歌い手も含め、なんだか幻のバンドの復刻音源を聴いているみたいで懐かしかったです。即効性が高いうえに訪れる飽きのサイクルの早さは否めないんですけどね。
こう聞くとMetaluciferの殿堂入は勿論ですが、舘真二のMagnesiumのやりきった感や、浅井兄弟によるBlind Witchの気合いに入りようには恐れ入りましたね。バンドってのは一日の長があるんだね。今作が気に入った方は、MetaluciferとMagnesiumは要チェックでしょう。
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