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Death Walks Behind You / ATOMIC ROOSTER
失恋船長 ★★★ (2017-12-13 13:35:13)
1stではあのカール・パーマーがドラムを叩き、シンガーのみならず、ギターも担当していたニック・グラハムが抜け(レコーディングではベースも担当するマルチぶり)。新メンバーを二人迎え、ベースレスという非常に貴重なラインナップでレコーディングが行なわれた2nd。主役たる鍵盤奏者のヴィンセント・クレインが奏でるハモンド・オルガンの妖しげな音色を生かした、暗黒面をフィーチャーした色気のある古典的ロックサウンドを展開、不気味なアルバムジャケットが醸し出す、オカルト神秘主義を後押しするような、アングラへヴィロックが放つ不穏な空気にむせ返ります。メンバーチェンジがもたらしか功罪とも言える音楽的進化は、1971年という時代背景も手伝い、ミステリアスな要素を多分に膨らましているでしょう。
ブラックサバスのオカルティックさとは違う魅力を放つバンド、ある意味ロックと鍵盤楽器を理想的な形で融合させたともいえる、知性に溢れており、オルガンとギターが密接に絡み合う事で生まれる魔術的で幻想的なへヴィロックは、今なお聴き手の好奇心を刺激するでしょう。その魅力は①に凝縮されているが、激しいドラムのインタープレイが絡み最高にクールなハードサウンドを轟かす④、ベース不在を感じさせないへヴィなオルガンと熱量の高いハードなギタープレイがカッコいい⑤など名曲も多数収録されています。サバスと双璧をなす暗黒面をフィーチャーした今作は英国ロック史に燦然と輝く名盤でしょう。

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