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Ein Schöner Tag... / TOM ANGELRIPPER
火薬バカ一代 ★★ (2017-11-05 00:18:52)
SODOMの首領トム・エンジェルリッパーが'96年に発表した初めてのソロ・アルバム。
ドイツではポピュラーな酒飲みソング(日本で言うとバラクーダの“日本全国酒飲み音頭”みたいな?)のカヴァー集とでもいうべき内容で、全編を支配する酔っ払い独特の陽気なテンションの高さといい、全曲ドイツ語で歌われる歌詞といい、SODOM的要素は全く期待できそうにない…と思いきや、いやいや。なかなかどうして。
名手ヨルグ・マイケル(他にもアクセル・ルディ・ペルやピーヴィ・ワグナーがコーラスでゲスト参加)によるキレのあるリズム・ワークの上に、トムの特徴的な濁声シャウトが乗っかると、「SODOMがカヴァーするハードコア/パンク/ロックンロール・ソング」的趣きが濃密に漂い、これはこれで存外カッコイイのですよ。MOTORHEADばりの突撃ナンバー⑥や、スピード・メタリックなGリフに、酔っ払いらしい脈絡無用な曲展開がブッ込まれた⑪なんかはその筆頭。歌い継がれるポピュラー・ソングだけあって、陽気な歌メロは思わず一緒に歌いたくなるキャッチーさですし、各曲に振られたゴキゲンな邦題と会わせて、本作に充満する無暗矢鱈にアッパーな雰囲気を盛り上げることに大きく貢献しています。
本作を聴いていて思い出したのが、独スラッシュ・シーンの兵どもが一堂に会して、超有名なクリスマス・ソングの数々をウキウキでカヴァーしたX’MASS PROJECTのこと。歌ってる最中にシンガーが我慢できずに吹き出したりする、あの(良い意味で)テキトーなノリがツボにハマった方や、「ヘベレケなTANKARD」聞いて興味が沸く向きには、お試しいただく価値が大いにある1枚ではないかと。
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