この曲を聴け!
Scarred for Life / OBSESSION
火薬バカ一代 ★★★ (2017-11-01 23:56:32)
後にLOUDNESS~イングヴェイのバンドに参加。近年はANIMETAL USA他の活動で知られるマイク・ヴェセーラ(Vo)を輩出したコネチカット州ニューヘブン出身の5人組が、当時POISONやSTRYPERを擁しHR/HMシーンでブイブイ言わせてたENIGMA RECORDSと契約を交わし、'86年に発表した1stフル・アルバム。
OBSESSIONの最高傑作と評判の2nd『狂気の方程式』(’87年)と比較すると、プロダクションは貧相ですし、メンバーのパフォーマンスも楽曲も、まだまだ荒削り。しかしながら、神秘的なイントロを蹴破ってパワフルに突き進み始める「う~ん、メタル!」なOPナンバー①を皮切りに、「歌うマーシャル・アンプ」と評されたマイクのVoと、鋼色の光沢を放つ2本のGの絡みを前面に押し立てたパワー全開のサウンドは、IRON MAIDENやJUDAS PRIESTの薫陶を受けたと思しき混じりっ気なしの正統派へヴィ/パワー・メタル路線が力強く見据えられていて、ポップ・メタル全盛のこの時期にあっても売れ線になんぞ目もくれない、迷いのない立ち姿は「天晴」の一言に尽きますよ。何より本編全体が荒削りであるからこそ、アメリカのバンドらしからぬ暗さ/重さ/アグレッションが牙を剥くOBSESSION独自の個性が際立つという。特に、スピーディな曲調に劇的なツイン・リードGが絡む⑤、マイクの熱唱がドラマティックな曲展開を一層盛り上げる6分以上に及ぶラスト・ナンバー⑩は、彼らの個性がガッチリ刻印されたメタル者の胸を熱くする名曲です。
初期CHASTAIN、LETHERWOLFの2nd、デヴィッド・ウェイン時代のMETAL CHURCHを愛する向きには、聴かずに捨て置くのは言語道断な力作。
→同意