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Flight of Crystal Arrow / Crystal Arrow
失恋船長 ★★★ (2017-12-22 18:53:35)
関西圏を中心に活動を行う国産HM/HRバンドが2016年にリリースされた1st。キーボード込みの5人編成と関西とくれば、コテコテの様式美メタルを想像しますが、このバンドも同系統で語られる部類ではあるが、より間口の広い音楽性を披露。紅一点の女性シンガー廣田直子の伸びやかで力強い歌声を中心に、キーボードを交えたクラシカルかつメロディアスな王道サウンドは、歌謡テイストも満載で、そのやり過ぎ感に評価も別れるのだが、バラエティに富んだ楽曲が収録され、8曲入りと言うボリュームも手伝いストレスなく最後まで聴き通す事が可能です。
メンバーショットから醸し出される、オヤジバンドコンテスト的な匂いがプンプンと漂い、そのアマチュア臭から来る現役感を損なう姿は大きくマイナス、特にシンガー廣田さんの、肝っ玉母さんが無理した感が頭にチラつくと、音が入ってこないという問題点もあり、知らなければ気にならないのだが、見ちゃうと厳しいのだ。彼女の場合は、なまじ実力があるだけの尚更タチが悪い。個人的にヴィジュアルに拘るタイプではないが、このバンドの欠点は、もう少し見られ方を気にするべきである。
類型的なスタイル故に個性は薄いが、全編に渡り耳馴染みよいキャッチネスさと様式美系サウンドの聴かせ方を十分に心得たバンドだけに、アマチュア臭は死活問題のように思える。
バンドって難しいなぁ。上手いだけじゃ成立しない部分がある。色が付き過ぎているのも大問題だが、あまりにもイケてないのも問題だもんね。でもここで聴ける安定感のあるバンドサウンドと、ツボを押さえたアレンジの旨味は、それらを凌駕する魅力に富んでいるのも事実なんですよ。

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