この曲を聴け! 

ゴミ箱
1573 ★★★ (2017-12-02 21:15:07)
数回聴いた時点でのレヴュー。
敢えて一言で言おう、このアルバムは「B'z流歌謡ロック」の完成であり、同時に誕生でもある。
この作品の立役者であり主人公は完全に松本孝弘その人。
18年前、松本は「変わりたい変われないオリジナルじゃない」と嘆いた。
そこから月日を重ね、試行錯誤を重ね、遂に自分のオリジナルを手に入れたのだ。

稲葉も稲葉で、一貫した世界観を持ち続け「これこそが俺の世界だ」と言って良い歌詞だ。(良く言えばやはり完成形、悪く言えばマンネリ)

それに今回はアレンジも実に素晴らしい。
過剰さ派手さ煌びやかさを取っ払い、無駄をそぎ落とし二人の世界観を壊す事の無い…いや、むしろ際立てさえする巧みさ。

先に「B'z」の項目で書いたが、「このアルバムは旧来のファンをふるい落とし、新規参入者にはキャッチーさが無くて訳が分からない」作品だと思う。
しかし松本の作品「New Horizon」「enigma」「Electric Island, Acoustic Sea」を聴き込み、その世界観を理解出来れば、最初に書いた「“B'z流”歌謡ロック」の意味が分かるはず。(特にエニグマは彼にとっての大きな分岐点になったはず)

30周年を目前にして、繰り返し言うが「B'z流」を手にした彼らにはもう敵はいない。
あとは進みたい方向に進むのみ…だろう。

ちなみに個人的ベストだが、この作品は堂々の2位にランクインだ!
残念ながらHRが好きな私にとってブラフを超えるには至らなかった。
しかしこれは正しく「敢闘賞」と呼ぶに相応しいアルバムだ!


追記:12月24日現在
聴いていく内に、このアルバムはもはや「B'z」と呼ぶよりも「松本孝弘と稲葉浩志の持つ世界観の全て」と呼ぶべきなんじゃないかと思えてきた。
つまりは、もうB'zという器から溢れ出た・二人(勿論アレンジャーの力もあるが)の持てる全てが解き放たれた、上手くは表現できないが…何と言うか…ある意味では二人の存在そのものを表現したアルバムではないか?とさえ思えてきた。
もうアルバムのランキングがどうのと言う次元じゃない。
このアルバムは「B'zの存在を超えた二人の世界そのもの」だと思う。
大げさでもお世辞でも度を超えた賞賛でも無く、本当にそう思う。

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