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And I'll Recite an Old Myth From... / PROVIDENCE
失恋船長 ★★★ (2018-01-09 15:13:59)
国産プログレHM/HRバンドが1990年にリリースした1st。80年代前半からメンバーチェンジを繰り返しつつ活動を続けてきた彼ら、4曲入りで50分を超える内容なので、一曲の長さに肝を冷やすロックファンも多いかも知れませんが、このバンドはプログレバンドにありがちな、シュールな世界観の没頭するような事はなく、テクニック志向と言うよりも、久保田の歌ありきのバンドサウンド志向に舵をとっており、実に聴きやすく纏め上げています。
勿論、プログレファンが聴いても物足りなさを覚えぬような、多種多様な仕掛けを設け、そのドラマ性に破綻を起こさせない場面展開で聴き手を魅了。作詩作曲を手掛けるキーボード奏者の塚田 円の手腕によるところも大きいのでしょう。
随所に渡りブリブリとした弾力のあるベースプレイで存在感を発揮し続ける広瀬泰行、独特のタイム感でリズムをキープするドラムの杉山雄一はSABER TIGERで叩いていた事でも知られていますね。
温かみのある久保田陽子の歌い回しも凛とした力強さを宿しており、この手のサウンドを唄うのにピッタリの逸材と言えよう。フックのあるメロセンスを遺憾なく発揮して歌い上げていますよね。
とにかくテクニックに偏重しなくとも、多彩なアイデアとアレンジセンスを持って、独自の世界観を創造した姿勢は、多くのロックファンを引き付ける要素も大きいでしょう。空間的演出に余念のないギターとキーボードの絡み、独自の世界を見事に華開かせていますね。
北の大地を揺るがす伝説のプログレHM/HRバンドの記念すべきデビュー作。お値打ちで再発された今が買い時でしょう。
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