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Goldfinger / The Heat
火薬バカ一代 ★★ (2018-01-21 01:49:08)
「ヒート」を名乗るHR/HMバンドと言えば、今だったら真っ先にスウェーデンの若き5人組の名が挙がるでしょうが、個人的にはSINNERの弟分として日本デビューを飾ったドイツのTHE HEATも、結構な衝撃を受けた存在として記憶に刻まれています。尤もその理由の大半は、’95年発表の本2ndアルバムの「中指オッ立てたゴールドフィンガー」という、ドイヒーなジャケット・デザインのインパクトによるものなのですが(笑)。
でも内容の方は(ジャケとは裏腹に)かなり健闘しているんですよ、これが。アグレッシブな疾走ナンバーから、緊迫感を湛えたミッド・チューン、更にはバラードまでバランス良く収録し、そのいずれもが欧州のバンドらしい哀愁を湛えている楽曲は、元々マット・シナーのサイド・プロジェクトとしてスタートした出自を持っているだけあって、サウンドに関してもSINNERに大いに通じるモノあり。つか曲作りやエンジニアリングにマットが全面的に関り、トム・ナウマン(G)らSINNERのメンバーもレコーディングに参加しているのですから、それも当たり前っちゃ当たり前の話ですわな。
Voの声質にパンチが欠けるため全体的に派手な魅力には乏しいものの、印象的なツインGのハーモニーが散りばめられたSINNERタイプの疾走ナンバー⑧や、軽快に駆け抜けて行くキャッチーなポップ・チューン⑩なんかには、聴いていて思わず「おっ」と身を前に乗り出してしまいましたよ。(THIN LIZZYのカヴァーを演ってる辺りもSINNERっぽい)
それだけに、OVERKILLならともかくメロディが売りのバンドがこのジャケットで本当に良かったのか?と。まぁインパクトは有り余っていますけども。

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