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Living in the Fear of the Private Eye / Export
失恋船長 ★★★ (2018-01-24 20:59:23)
プロデューサーにランス・クインを迎え、1986年にリリースされた3rd。出自は時期的にNWOBHMだが、ここで聴けるのは英国的ハードさと湿り気のあるメロディが映えるハードポップサウンドを披露。軽薄になる事のない生真面目さと、良質なメロディの融合が実に居心地がよいサウンドを響かせ、その筋のマニアなら必ずや満足して頂けるでしょう。
間口を確実に広げるキーボードとアコギの活用の上手さ、そして沸々と燃え盛るパショネイト溢れる燻銀のギター、そこに絡むエモーショナルな歌声、楽曲自体は派手さに欠けているが、ツボを押さえたアレンジと情緒溢れる熱情型のロックサウンドは、どれも魅力に富んでおり、サバイバー辺りにも通ずる親しみやすさと玄人好みの渋さがギラリと光り輝きます。コーラスワークの重ね方もプロデューサーの手腕によると事だし、ギターも色気のあるトーンで酔わせてくれる。
バンドとしては、アメリカンマーケットを意識した作風で打って出たが、今作をもってバンドは解散。AOR系のメロディックロックマニアには、知られている存在だが、アルバム単位での連動性がなかったのが、一般的なマニア筋にも浸透しなかったのが痛手だったのだろう。オリジナルは米国のEPICから、2010年にはアメリカンロックの再発盤に強いRock Candyから出ていますよ。
ちなみに歌モノ好きとしては、ボブ・ハリガンJrやマックス・ベーコンが楽曲提供しているのも見逃せませんね。

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