この曲を聴け! 

The Rules Have Been Disturbed / MYSTO DYSTO
火薬バカ一代 ★★★ (2018-02-17 23:15:27)
80年代に残した2枚のアルバムが、マニアの間で高評価を得たオランダのMANDATOR。その前身として知られるMYSTO DYSTOが’86年に自主制作した唯一のフル・アルバムが、MANDATOR共々ようやく正式CD化。オリジナルLPは5桁のプレミア価格で取引されており、とても手を出す気にならなかったので嬉しい限りですよ。
音楽性は、この時点で既にMANDATOR時代に通じるパワー/スピード・メタル寄りのスラッシュ・メタルをプレイ。MANDATOR自体、スラッシュ系にしてはメロディアスなサウンドが持ち味のバンドでしたが、本作はそれを更に正統派HM寄りにしたような仕上がり。随所で印象的にハモるツインGと、裏声ハイトーンを炸裂させながら一生懸命「歌っている」シンガーの存在もその印象に拍車を掛けているという。
Voの頼りなさや、自主制作盤ゆえのラフな音質、勢い勝負の楽曲等、あらゆる点においてまだまだ荒削りな作品なのは事実。なれど、イントロからいきなりブラック・メタルばりのトレモロ・リフが吹き荒ぶOPナンバー①、スラッシーなスピードに乗ってツインGが派手にハモリまくる③、エピカルな風格漂わす④、曲作りに際してRIOTの“WARRIOR”に影響を受けたような⑥等は、思わず「おっ」とパワー/スラッシュ愛好家の身を前に乗り出させる出来栄えではないかと。曲名通りに地獄までブッ飛ばす勢いの⑤なんて、パワー・メタリックな構築感とスラッシーな突撃感覚が絶妙な融合を見た本編のハイライトであり、IRON MAIDENがドーピングしたようなこの名曲を聴くためにも本作を是非購入すべし!と、思わず熱弁を振るいたくなる1枚であります。

→同意