この曲を聴け! 

戦争 -アクシデント- / FLATBACKER
失恋船長 ★★★ (2018-02-26 12:44:05)
個性的なシンガーと言えば誰ですかと問われると、真っ先に思い浮かべるのがキング・ダイアモンド氏とサブラベルズの高橋喜一氏なのですが、丸ごとバンドとなると、唯一無二という表現にピッタリとハマるFLATBACKERしかいないでしょう。
ソリッドで重量感のある攻撃的なリズム隊と、妖しげなフレージングと鋭角的なリフワークを駆使する攻撃的なギター、パンキッシュな精神性を持ちつつも、メタルな整合性を併せ持つという離れ業を成し遂げた個性的なスタイルを築いていたのが、クマどりメイク姿も異彩を放っていたのがFLATBACKERだ。
いまこうして、冷静に向き合い耳を傾けると、まるでACCEPTがハードコアパンクスに路線変更したのかなぁ、みたいな音にも聞こえ、アグレッシブだがウネウネドロドロとのたうち回るへヴィグルーブのエゲつなさと、研ぎ澄まされた感性が刺々しく切れ込んでくるギタープレイの数々に、世界中を見渡しても本当に個性的だったと思わずにはいられません。
その個性の塊のようなバンドサウンドの頂点に君臨するのは、クセの強い強靭なヴィブラードを駆使するストロングな歌唱スタイルの山田雅樹。あの過激な歌詞を独特のスクリームと言えば良いのか、個性あふれる強烈な歌い回しでスコーンと突き抜けるのだから、聴き手の快感指数もマックスへと高まります。
SHOYOの独創性に溢れたギターは、テクニック至上主義とも言えるメタルギター群とは一線を画すスタイルで、流行のタッピングやスウィープ・アルペジオ的なスタイルではなく、ギター全体を揺らすようなロングトーンのヴィヴラードを大きく聴かせたと思えば、神経を逆なでするような音階を行き来するVENOM風の禍々しいリフワークなどなど、違うアプローチをとり、その佇まいには異端児という言葉がピッタリとハマるギターヒーローだった。キカイダーよりもハカイダーに魅力を感じる、ワタクシにとっては、彼のようなスタイルにシンパシーを感じずにはいられませんでしたね。
ある意味、パンクとメタルの壁を壊した存在として、両方のファンからも一目を置かれる事となった彼ら、ピチピチのレスラーみたいな服を着なかったのが良かっただけかも知れないが、本当の意味でのクロスオーバーサウンドだったと思いますよ。

→同意