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Sabu / SABU
火薬バカ一代 ★★★ (2018-02-28 23:29:03)
SABU。…と言っても北島三郎のことではなく、ましてやゲイ雑誌のことでもなく。80年代からシンガー/ソングライター/ギタリスト/プロデューサーとしてマルチな活動を行ってきたアメリカ人ミュージシャン、ポール・サブーが、BONFIREを脱退したエンジェル・シェライファー(G)&ヨルグ・ダイジンガー(B)と知己を得たこと切っ掛けに立ち上げたプロジェクトのこと。(ドラマーは助っ人としてデレク・スミスを起用)
本作は彼らが'96年に発表した唯一のアルバム。雑誌で高評価を受けていたのに釣られて購入したのですが(日本盤はテイチクからリリース)、シンガーの名前を冠した作品ということで、てっきり「歌」が主役のハードポップ路線のサウンドを志向しているかと思いきや、実際はGも自己主張しまくる、予想外にハードにロックしている内容だったという。「90年代の作品で、ハードにロックしている内容」とか聞くと、嫌な予感しかしない方もいらっしゃるでしょうが、そこはメロディックHR界の手練れが揃ったプロジェクト。似合わぬヘヴィネス路線に色目を使ったりはしていないのでご安心あれ。
力強い高揚感に溢れた③、キャッチーな躍動感に心が浮き立つ⑦といった、カラッとポップで爽快なHRナンバー、もしくは⑧のようなVoと楽器陣の熱演がダイナミックな盛り上がりと感動を呼ぶ楽曲を始め、ポールがエネルギッシュに熱唱するキャッチーなメロディに、BONFIRE組がハード・エッジと欧州風味の哀愁を適宜加えるサウンドは、この組み合わせにファンが寄せる期待にきっちりと応えた仕上がりと言えるのではないでしょうか。
CD屋に行くと帯付中古盤が3桁価格で買えてしまうという、非常にお得感に溢れた1枚。
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