この曲を聴け! 

Voyage of the Rage / ARK STORM
火薬バカ一代 ★★★ (2018-03-18 23:37:31)
スタジオ・アルバムとしては3rd『THE EVERLASTING WHEEL』(’03年)以来、15年ぶりに発表された4thアルバム。(’18年)
その合間にライブ活動やリレコーディング・ベスト盤のリリースもありましたが、それにしたって15年は間が空き過ぎだろう…との愚痴は、「新Voにマーク・ボールズを起用!」というサプライズ人事の衝撃の前に雲散霧消。様式美HM界隈の三種の神器と名高いマーク・ボールズ――ちなみに残り2つはコージー・パウエルのDsとイェンス・ヨハンソンのKey――が、「和製イングヴェイ」の異名を取る太田カツ(G)のバンドで歌うとか、一昔前に様式美マニアが飲み屋で交わしてた与太話が現実になる日が来ようとは。
サウンドは前3作同様、安定のネオクラシカルHM路線。作を重ねる毎にパワー・メタリックな色合いを強めているとは言え、殊にインスト曲において顕著な太田の迸るほどにイングヴェイなGプレイを始め、亜流サウンドであることは否定し得ません。しかし質の高さは保証書付きですし、何より近年は御本家がこのサウンド・バランスから距離を取り始めていることもあり、個人的には何の問題もなく楽しめましたよ。
ただ聴いていてふと思ったのは「シンガーは誰を想定して曲作りが行われたのだろう?」ということでして。マーク前提にしちゃ歌メロのキーが低めで、もしかすると前任Vo向けに作った楽曲にマークが歌入れを行ったのかな?と。尤もそれが逆に収録楽曲に新鮮味をもたらしてくれている面もあるので、悪いということはないのですが。特にダーク且つ劇的に疾走するOPナンバー①は名曲ですよ。

→同意