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虹を継ぐ覇者 / 虹伝説
失恋船長 ★★★ (2018-03-20 12:52:05)
国内アーティストが結集したDEEP PURPLEのトリビュート盤の成功に気を良くしたのか、満を持して、あのRAINBOW伝説を母体とした究極のカヴァーアルバムがリリース。梶山章と森川之雄のコラボを、これが最大のポイントとなったが、バックを固めるメンバーも気心の知れた仲間を集め、このメンツによる活動を視野に入れたラインナップとなっているのも見逃せません。
個人的には、ゲスト参加の本家からの二人、ジョー・リン・ターナーとデイブ・ローゼンサルはいらないと思うが、森川とデュエットしたりと、それなりの話題性もあり、売上げアップに貢献したでしょう。

EARTHSHAKERの工藤はコージータイプのドラマーとして知られているが、この成り切りぶりにファンは大喜びでしょう。主役たる沼津のグラハム・ボネット森川の歌唱に問題無、このプロジェクトに相応しい人物だ。特にパワーシャウト一発を決める姿は勿論だが、ジョーばりに甘いトーンもフォローできる柔軟さがあるので、世界を見渡しても適任だと思っています。
そして梶山のギターはリッチーらしいが、新しい解釈で対応しており、キメのフレーズは壊さないが、らしさも十分にあるテクニシャンだ。このアルバムでジョーと共演した事が、彼の活動に大きく影響を与えたのだから、このプロジェクトは意義のあるものでしたね。

どうしてもお祭り感覚のプロミュージシャンによるカヴァー大会な様相と呈する作品になりがちな、カヴァー集でここまで本域を感じさせる作品はそうなはないでしょう。⑨以外は、ほぼ予想内の選曲の為、少々刺激は薄いのかも知れないが、その分、期待を裏切らないアレンジと渾身のプレイにマニアは勿論ですが、それ以外の方が聴いても大いに楽しめるでしょう。
何より古いマテリアルの楽曲を新しいテクノロジーで復活させた事が素晴らしいと思います。細部に拘った日本人らしい、オリジナルの味を損なわないリスペクト愛溢れる一枚。リッチー・ブラックモア復活が叫ばれる今だからこそ聴いて欲しいです。

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