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Bloodied, But Unbowed / DESPERADO
失恋船長 ★★★ (2018-03-21 12:10:08)
レーベルの意向を受け制作されたTwisted Sisterの『LOVE IS FOR SUCKERS』セールスも振るわなかったが、主役たるディー・スナイダー自身も不満があるのか、いち早くバンド活動に見切りをつけ動き出したプロジェクトがこのバンド。
ギターはパンク畑出身でもあるバーニー・トーメ、ドラムは燻っていたクライブ・バー等に声を掛けレコーディングがスタート、1989年にはリリース予定だったが直前でエレクトラレコードから契約解除、その為に長らく埃に埋もれていた作品が1996年にひっそりとブート盤として世に出回る事に(後年2007年には正規盤がACEというタイトルに変更され出ます)その出来栄えが、実に時代を見越したブルージーかつハードな70年代型のロックを意識したメタルサウンドだった事に驚かされる。流石はディー・スナイダー、先見の目があったんですね。1989年と言えばシーンの潮目となるリアルサウンドが求められていました、彼らはいち早く、その空気を読み取り時代に即したものを作り上げたのにリリース直前で見送られたんだからね。
結局このバンドは、ろくに活動もせずに解散状態。ディーはシーンの動向を見守りながらWidowmakerへと流れ、ソロ活動に進みます。
おそらくディーのイメージとかけ離れた音楽性にレーベル側が興味を示さなかったのでしょうが、ここで聴ける乾いた本格派のアメリカンロックサウンドとバーニー・トーメのド派手はギターサウンドは絶妙な絡みを見せ、地味に聞こえる楽曲に大きいアクションをもたらしています。ドラムのパワーヒッティングも超クール、お得意のハイハットのデカさに痺れます。

ディーがお化粧を落とし、進みたかったリアルなロックサウンド、けしてキャッチーさやメロディアスな面を捨てたわけではないので、もしこの音が1989年にリリースされていたら、注目されていたんじゃないだろうか?そんな思いを馳せずにはいられません。
①②③と渋いカウボーイロックが幕が開け、④では濃厚なへヴィバラードで聴き手を魅了、バーニーの派手なアームプレイも飛び出します。ディーらしいポップセンスを内包した⑤など前半からバラエティに富んだ楽曲が目白押し、完全にイメージ変更に着手しています。⑥以降も70年代のヴァイブとメタルな感性を融合した良質な楽曲が続きます、フックのあるメロディ、ディー・スナイダー節とも言えるメロセンスを生かした楽曲に、絡むバーニーの派手なギターは相性も抜群でしたね。彼のギターがこれでもかと切り込んでくる⑥のカッコよさ、中盤のインストプレイのテンションの高さに唸りますよ。

個人的には、この砂埃舞うブルージーなメタルサウンドを勝手にカウボーイメタルと呼んで楽しんでいるが、シリアスな作風に終始したディーの心意気に共感しますよ。
今こうして聴けば、Twisted Sisterから、能天気さを取り除いただけという見方も出来ますからね。不思議なものです。

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