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帰ってきたクーカイ (2018-03-21 18:13:42)
 随分昔に購入した東京創元社のチャンドラー短編全集2『事件屋稼業』(原題:Trouble Is My Business And Other Stories 「事件屋稼業」ってなんか時代を感じさせますね。原題の格好良さを現代の言い回しで日本語訳するのは結構難しいな)。
 それに収録されている「黄色いキング」。ここにきて初めてまともに読んだ(本を購入してから実に約30年後)。

 結構面白かったな。
 チャンドラーといえば主人公はフィリップ・マーロウ。そして一人称だが、「黄色いキング」は3人称で書かれ主人公はスティーヴ・グレイス。何が面白かったのかというと、話にJazzが絡んでくるからだ。

 へー。チャンドラーもJazzが好きだったのかなぁ。こういう話も書いていたんだ。と、何か新しい発見をしたような気分。

 殺人犯は途中から「多分こいつだな」とわかってしまうのが、パルプ小説掲載の中短編小説における限界性を感じるところなのだが、中短編小説であるがゆえのスピード感というのがある。底は浅いが、バシャバシャ泳いで遊ぶには十分な流れるプールみたいな、ある種キッパリとした潔さというか。はたまた諦観というか、日銭を稼ぐにゃしゃーねーだろというか。そういうヤサグレ感が味ですね。

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