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Ratt (EP) / RATT
失恋船長 ★★★ (2018-04-02 13:40:09)
所謂RATTと言えばバブリーメタルの象徴のようなバンドだった。盛り立てた髪型、派手なメイク、カットTシャツ、若かりしワタクシには、その存在が受け入れられず、リアルタイムでは真剣に耳を傾けませんでした。このバンドと真剣に向き合ったのは90年代の中頃だったと思いますが、イメージというのは恐ろしく、1stを聴いた時は華やかさもあるが同時にラフでへヴィな本格派のアメリカンロックサウンドだった事に気付かされる。

そんな彼らのカタログの中でも、今作はボー・ヒルの手によって華やかになったサウンドとは一味違うラフでパワフルなロックサウンドを披露。勿論、後の片鱗も十分にあるのだが、ボー・ヒルの手腕によって別次元に進んだと言えよう。その違いを感じる事が出来る貴重な初期音源、楽曲のほとんどがMICKY RATT時代もモノでクレジットはないが、ジェイク・E・リーのアイデアはないのかなぁとか、考えながら聴くのも楽しいものです。
まだまだ粗削りで未消化な部分はあれど、ボー・ヒルの手掛けたオシャレサウンドとは違うラフで生々しいサウンドが楽しめるので、今作をRATTのベストと押すマニアがいるのも頷けます。
それを支持するのはシャープなアメリカンスタイルの疾走ナンバー『SWEET CHEATER』が収録されたからなんだろうが、やはり生っぽい音だから感じられるラフさと重さが心地よく鳴り響き、彼らの個性とも言えるグルーブを生み出しているのが最大の肝だろう。

こういうスタイルのサウンドを、ボー・ヒルが手掛けた事による、あそこまで変貌するのだから時代ってのは恐ろしいね。そしてギタリスト、ウォーレン・デ・マルティー二が本領発揮するのは次作以降になります。

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