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Gothic / PARADISE LOST
火薬バカ一代 ★★★ (2018-04-19 22:53:33)
PARADISE LOSTが'91年に発表し、「ゴシック・メタル」というHR/HMのサブ・ジャンル誕生に決定的な足跡を刻んだ2ndアルバム。何せタイトルからしてそのまんま『GOTHIC』ですし、曲によってはKeyやオーケストレーション、ソプラノVoによるお耽美な味付けも加えられていたりと、最初の第1歩にして既にこのジャンルに求められる要素を一通り網羅しているのだから凄い。いやこの場合は彼らがここで提示した要素が、後にゴシック・メタルに必要不可欠なスタンダードになっただけなのか。
尤も、本作の時点では飽くまでそれらはほんの彩りに過ぎず、地の底から湧き上がって来るかの如きニック・ホルムズの咆哮Voにしろ、蠢くGリフにしろ、中~低速をメインに泥濘の中をもがくように這い進むリズムにしろ、今時のゴシック・メタルのようなキャッチーさになんぞ目もくれないサウンドは、完全にデス・メタルのそれ。未だゴシック・メタルもドゥーム・メタルも認識の埒外だった当時は、CELTIC FROSTやドイツのMORGTH辺りと比較しながら、単純に「スローなデス・メタル」として楽しんだ覚え有り。
女性VoやシンフォニックなKeyによる荘厳なアレンジが施された①②⑧のような、ゴシック・メタルの雛型チックな楽曲勿論素晴らしいのですが、個人的に断然心惹かれたのは、重々しく破壊的なサウンドと、リードGが紡ぐメランコリックなメロディが美醜の対比を描き出す名曲中の名曲⑤ですよ。
PARADISE LOSTのメンバーが自信の持って「真のデビュー作」(1stは納得行く仕上がりになる前にリリースしてしまったため)と語るのも納得の、エポック・メイキングな1枚。

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