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Restless Heart / WHITESNAKE
失恋船長 ★★ (2018-04-25 13:53:48)
湾岸戦争以降、アメリカ自体が暗く陰鬱としたムードに包まれたと言われる。そんな世相は芸術の分野にも暗い影を落とし底抜けに楽しいエンタメを味わえる状況下になかったと言われる。時期としてグランジブームもあり、その生々しいサウンドは時代背景とマッチ、浮かれまくったパーティーソングや女々しい男の心情の吐露など、だれも興味がなかった。

そんな暗い時代は長らく続くのですが、多くのアーティストも路線変更や、アンプラグドライブなんかが流行り皆がこぞってアコギヴァージョンで往年の楽曲を披露してましたね。なんたって愛しのレイラですらアンプラグドヴァージョンあるんだからねぇ。
そんな手を変え品を変え皆が苦戦する中で、カヴァーデイルがとった新たなる音楽性は原点回帰とも言えるブルースロック。勿論、渡米し大金をせしめたカヴァーデイルが男の悲哀を歌い上げても、心に迫るものはないのですが、それでも情念たっぷりの節回しは、老獪なテクニックを駆使して、衰えすら渋みと変えたんだから流石でしょう。
暗がりのバーが似合うホワイトブルースだったホワイトスネイク、アメリカンマーケットを意識し音楽性がガラリと変わったため、その本質は人それぞれ感じ方も違うだろう。個人的にはホワイトスネイクらしさという観点で考えるとSLID IT IN辺りまでとなるのだが、今作はバランス良く纏めましたね。初期の路線もあれば、モダンなへヴィロック時代もある、そして全般的にAOR調のライトな感覚を持ち込み、聴きやすくしているという点は見事ですね。
まぁ、どっちつかず、と言えばそれまでな中途半端感は否めないし衰えは顕著だ。雰囲気重視すぎる点もある、それも90年代中期という時代の業なんだろう、この生々しい作りはね。
力点が原点回帰と大衆性、その二点がハマれば強いのだが、総じて地味なので、個人的にはアルバムを最後まで聴き通すガッツがなく⑩くらいで眠くなり完走した例がありません。それでもカヴァーデイルの名に恥じないと思わせる力技が彼の凄さなんだろう。

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