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Tygers of Pan Tang / TYGERS OF PAN TANG
火薬バカ一代 ★★★ (2018-05-13 22:36:50)
看板メンバーだったジョン・サイクスとジョナサン・デヴァリルのWジョンは既にバンドを去って久しく、現在は唯一残ったオリジナル・メンバーのロブ・ウィアー(G)が司令塔役を担っているTIGERS OF PAN TANG、'16年発表の新作アルバム。
「虎だ!虎になるのだ!」ってな気迫に満ちたジャケット・イラストのカッコ良さに釣られて購入してみれば、これがアートワーク負けしない、聴き応え満点の充実作で思わず笑みがこぼれます。面子は地味でも、名盤『GANGLAND』(’81年)に収録されてたって違和感のないGリフ主導で畳み込む疾走ナンバーの名曲④を始め、本作はファンが期待する「らしさ」をしっかりと保持。のみならず、美しい泣きのバラード③や、哀愁に満ちたメロハー・ソング⑧等ではエモーショナルな表現力とメロディ・センスを、アグレッションと憂いに満ちたメロディが同居するOPナンバー①、TOPT流“移民の歌”チックな⑨、ツインGが映えるライブ映えしそうな⑪といった楽曲においては、ベテラン・バンドらしい曲作りの巧みさもアピールしたりと、なかなかどうして隙の無い仕上がりっぷり。
80年代からズルズルと離散集合が繰り返されて来たせいか、「復活」とか「満を持して」感よりも「あ、まだやってたんだ」感の方が強かったりするTYGERS OF PAN TANGですが、無駄な気取りや気張りがない本作には、そうやって長く続けて来たからこそ到達し得た自然体の魅力が溢れています。(まさに継続は力なり)
あとついでに、最後の最後に「かまし」が待っていますので、聴く際は椅子から飛び上がらないようにご注意を。
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