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Feed Me Violence / Evil Invaders
失恋船長 ★★★ (2018-05-14 14:04:45)
ベルギーが誇るヤング、スピード/スラッシュHM/HRバンドの2nd。国内盤がまさかのワードレコーズとは、随分と期待のニューカマーへと上り詰めたんですねぇ。

ハイピッチに喚くシンガーのキレっぷりもクールだが、殺傷力のあるリフワークと、一見は破天荒で若さに任せたサウンドに聞こえるかもしれないが、実は物凄く綿密に作りこんでおり、完全に仕上げています。その外連味のない実直なスタンスは、この手の音楽性を極めようとするからこそ生まれてくるもので、①②③と立て続けにタイプの違う楽曲で聴き手の好奇心をくすぐり、次はどうなるのかとワクワクとさせます。アッパーな①、スリリングな展開がカッコいい(ギターソロもグッド)②、ドラマ性たっぷりの③と懐の深いバンドサウンドで魅了。バンド名から想起されるカナダのRAZOR風の、重いがキレる中華包丁リフもありと新旧メタルサウンドを両立させたアイデアには知性すら感じます。

肉弾戦の暴虐サウンドに陥らない、緩急をつけた楽曲とスリルを誘発する演奏力の高さ、その切れっぷりは、軽く前作を凌ぐもので、むしろスピードメタルのオンパレードを避けた事が、何倍もバンドサウンドの旨味を膨らませており、バカっぽさではないコクのあるスピード/スラッシュHM/HRサウンドにへ仕上げています。ベースからリードギターへ転向したMAXの存在もエグイな。

今年は春から縁起がイイね。こんな良作に出会えるとは、緩急の利いた⑥のあとにインストの⑦を放り込むのも丁度いい、耳休めになる、それからのギャロップビートな⑧、だから36分少々のランニングタイムでもお腹一杯の充実感を味わいリピートしたくなるんですよね。メイデン風味の隠し味が効いて美味いわ。
先人達の影響を咀嚼し巧みに作り上げたバンドサウンドは単なるNWOTHM(もしくはNWOSHMになるのかな?)群とは一歩抜きんでた存在になっているでしょうね。だからワードレコードも目をつけたのか!!

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