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One for All / RAVEN
火薬バカ一代 ★★ (2018-05-18 00:02:03)
名盤『ALL FOR ONE』(’84年)に引っ掛けたような、思わずニヤリとさせられるタイトルに釣られて購入してしまった、’99年発表の11thアルバム。
90年代半ばは迷走期を過ごしたRAVENなれど、久々にマイケル・ワグナーをプロデューサーに起用した本作では、年を重ねても落ち着くどころか益々意気軒高に高音スクリームとテクニカルなBプレイをキメまくるジョン・ギャラガー、けたたましくリフを刻みソロをブッ放すマーク・ギャラガー、パワー全開のジョー・ハッセルヴェンダーのドラミングとが猛然と駆動する、己の本分に立ち返ったようなアスレチック・ロック・サウンドを全力でブチかましてくれています。このアルバムの前に未発表&レア曲集『RAW TRACKS』を取りまとめたことも、自分達の音を見つめ直す良い機会になったのかも?
リリース当時は、元気一杯な反面、全体的にキャッチーさ不足が気にならなくもなかったのですが、改めて聴き直してみると、ハイパーな疾走感の中にロックンロールに根差したノリの良さも宿すスピード・ナンバー②⑩を筆頭に、収録曲にはいずれも紛うかたなきRAVEN印が刻印されていますし、何てったって本作はハイライト・ナンバーたるSTATUS QUOの名曲カヴァー⑫がトドメを刺す。嘗てRAVENがウド・ダークシュナイダーとの狂人タッグでカヴァーした“ワイルドで行こう”(STEPPEN WOLF)を彷彿とさせる、パワフル且つ狂騒的仕上がりに胸躍る逸品。いやまぁアルバムで一番印象に残るのが他人の曲ってのはどうか?と訝しむ向きもありましょうが、そうした疑問もブッ飛ばすカッコ良さなので是非一度お聴き下さませ。
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