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Fragile / YES
火薬バカ一代 ★★★ (2018-06-24 08:07:54)
その昔KING CRIMSONの『クリムゾン・キングの宮殿』に衝撃を受け、プログレッシブ・ロックの勉強モードに入った時期がありまして、当然YESの代表作として有名な4th(’71年)にも手を出したわけですが、暗く重く劇的だった『クリムゾン~』に比べると、イアン…ではなくジョン(訂正ありがとうございますメタル慶昭さん)・アンダーソンの陽性なVo、華麗なハーモニー、リック・ウェイクマンのカラフルなKeyに彩られたサウンドは何だか明るくポップに感じられ、「俺の趣味じゃねぇ」と聴き込むことなく放置プレイをエクスキュート。そのまま結構な時間が経過してしまったという。
その後、本作に対する印象を一変させる切っ掛けになったのは『バッファロー’66』という映画でした。同作ではスリリング且つ劇的な名曲“燃える朝やけ”が非常に印象的な使われ方をしており、「えっ、こんなイカした曲が収録されてたっけ?!」と慌ててアルバムを引っ張り出し、そこで漸く本作の真の魅力を認識するに至った次第。
繊細にアコギを奏で、破壊的にリフを刻むスティーヴ・ハウのG、しなやかに唸りを上げるビリー・スクワイアのB、変幻自在に躍動するビル・ブラフォードのDsが、ポップなVoや流麗な鍵盤捌き、立体的に編まれたハーモニーと共に混然一体に展開する名曲“RUNABOUT”を始め、山あり谷ありの道行の果てに壮大なパノラマが眼前に広がるかの如き収録楽曲の魅力は、アーティスティックな独創性のみならず、親しみ易いポピュラリティをも兼ね備えたYESならではと、今ならば理解可能です。
以降、己の所業はひとまず棚上げして、「やっぱYES入門盤にはこのアルバムが最適ですよ!」と吹聴して回ったことは言うまでもありません。

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