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British Standard Approved / DEMON
火薬バカ一代 ★★ (2018-07-01 21:54:22)
今作への参加を最後に、病没したオリジナル・メンバー、マルコム・スプーナー(G)に捧げられている’85年発表の4thアルバム。
前作『悪魔主義』で開眼したプログレッシブ・ロック路線に更に大胆に踏み込んでおり、DEMON史上最大の問題作といえば、真っ先に本作の名前が思い浮かぶ人も多いのではないかと。タイタニック号がモダン・アート調に描かれたジャケット、やがて沈みゆく豪華客船と、アルバム制作当時の閉塞感漂う英国の世相を重ね合わせたコンセプト、個々の楽曲のインパクトより、滑らかに紡がれる作品全体の構成を重視した作り、そして何より実力派シンガーぶりが板に付いてきたデイヴ・ヒル(Vo)の歌唱と、スティーヴ・ワッツ(Key)の鍵盤捌きを両軸に展開されるサウンドに、最早NWOBHM色は勿論、バンド名から想起するような悪魔感も皆無。PINK FLOYDを引き合いに批評されたという本作について、国内盤の解説でデイヴが「DEMONはアルバム毎に変化してリスナーを驚かせてきた」と胸を張っていて、いやまぁ確かにビックリはしましたよ?ビックリはね…という。
そんなわけで、長らくコレクションしている「だけ」に留まっていた本作ですが、数年前に不意に自分の中に到来したDEMONブームに背中を押され改めて聴き直してみたところ、時に淡く、時にポップに、そして時に壮大に繰り広げられるサウンドの質の高さがようやく理解できた次第。何より進化と称して安易に売れ線に走るのではなく、あえてプログレ方面に突き進む、DEMONの頑固な英国気質には敬意を表さずにはいられません。
まかり間違っても入門盤にはお薦めしませんが、スルーするのは惜しい1枚であります。
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