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Astronomica / CRIMSON GLORY
火薬バカ一代 ★★★ (2018-07-30 23:16:14)
仮面装備のミステリアスな出で立ち、ミッドナイト(Vo)の超音波ハイトーンと劇的に踊るツインGをフィーチュアした高品質な正統派HMサウンドで話題を攫ったCRIMSON GLORYが再結成を果たし、ミレニアム目前の'99年に発表した復活作。
ブルージーなエッセンスを持ち込んで当時のHR/HMシーンの流行にいっちょ噛みを目論んだ3rd『STRANGE & BEAUTIFUL』(’91年)はファンの失望を買い、急転落の要因ともなりましたが、本作では荘厳なインスト序曲①からダークな緊迫感を湛えた②へと繋ぐ冒頭の構成から早々と宣言している通り、自らの個性とファンの期待を的確に踏まえたドラマティックな正統派HM路線を堂々展開。Bの存在を強調した音作りとか、1stや2ndの頃に比べるとへヴィネスが増量された楽曲とか、90年代然とした要素も散見されるものの、ツインGがハモリながら突き進む重厚な③、エキゾチックな雰囲気漂わす④⑥、重々しく哀切に満ちた⑤、エレアコをフィーチュアした抒情バラード⑧、劇的にクライマックスを締め括る⑩等、流行に飲み込まれるのではなく、逆に流行を飲み込んで血肉へと変えることで新たな魅力に開眼したサウンドは、前作の失敗を繰り返してはいません。引退してしまったミッドナイト('09年に病死)の跡を継ぐ二代目Vo、ウェイド・ブラックの実力も確かで、前任者に比べると声質がやや野太い感じなれど、荒々しさを増した楽曲にはぴったりフィット。高低差の激しい歌唱を以て本編の劇的さを際立てることに貢献しています。
1曲ぐらい疾走ナンバーがあっても良かった気がしますが、まぁ考えてみりゃ、元々スピードを売りにするバンドではありませんでしたよねと。力作。

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