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Casanova / CASANOVA
火薬バカ一代 ★★★ (2018-08-06 23:03:20)
MAD MAXの一員としてデビューを飾るも、ビジネス上のトラブルに巻き込まれバンドの先行きに不安を感じたマイケル・ヴォス(Vo)が、WARLOCK解散後、新しい就職先を探していたマイケル・ユーリッヒ(Ds)を誘って結成したCASANOVAが、WARLOCK時代の伝手で(推測)ヘンリー・スタロステをプロデューサーに迎えてレコーディングを行い、'91年に発表した1stアルバムがこちら。
ポップでキャッチーなメロディと、カラッと垢抜けたアメリカンな雰囲気を身に纏った、ドイツのバンドらしからぬメロディックHRという、CASANOVAのトレードマークたるサウンドは既に寸分の迷いもなく定まっており、特にまだまだ生硬かったMAD MAX時代とは打って変わって、熱くハスキーな声質を生かしてパワフル且つ伸び伸びと歌いまくるマイケルの歌声は、「この人の声ってこんな魅力的だったっけ」と認識を上書きされる、バンドの看板声として抜群のインパクトを放っています。
次作『ONE NIGHT STAND』(’93年)に比べると、VoとGが哀愁の旋律をメロディアスに歌い上げるOPナンバー①にて幕が上がることに象徴されるよう、本作はよりマイケルの歌を中心としたメロハー作品としての色合いが強めに打ち出されていて、その①及び、PVも作られている②、しっとりと聴かせる哀愁に満ちた⑥、エネルギッシュにハジける⑨、爽やかに跳ねる⑪といったミッド・テンポの楽曲は、CASANOVAの曲作りの才を証明する秀逸な名曲揃い。特にキャッチーなサビメロ作りの上手さはやはり際立っていますね。
デビュー作にしてこの完成度の高さは実に立派です。

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