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Shrinking Violet / L.A. GUNS
失恋船長 ★★★ (2018-08-14 14:10:44)
なんでもフィル・ルイスが脱退。その後の混迷もあり、このアルバムはクソみたいな罵詈雑言を浴びせられる一枚なんだとか?
そんな言われたら余計に聴きたくなるのがワタクシの性ですが、新しいシンガーはLove/Hateのジジィ・パール。そのブルージーな歌い回しはアメリカ人が好きそうなタイプであり、モトリーにジョン・コラビが入ったような感覚に似ていた。

サウンドの方は、もっとモダンなアメリカンロックをやっているのかと思ったら、思いのほか古典的なスタイルに回帰していて驚いた。80年代的な華やかさや、過去の焼き回しとは別のベクトルへと向かう音楽性。
70年代的なスタイリッシュさと近代的な音の融合。ワイルドなグラムロック路線を期待するとズッコケるだろうが、ヴォーカルを変えてただけのセルフパロディになっていないので十分に新旧のファンに訴えかけるだけの魅力がある。
バラード系などで感じ退廃的なムードを醸し出すメロウさなどは、このバンドの専売特許だろう。
それに結成当初から、このバンドには英国的な香りが漂っていた。それはフィルがいなくても残っている。かつての暴発寸前、荒くれサウンドではないので地味に感じるのは仕方ないでしょうが、1999年リリースでしょ、これもありかと思います。

80年代的華やかなサウンドと決別したクラシックアルバム。ただ銃口を喉奥まで突っ込まれ「おまえはこれをL.A GUNSだと認めるのかと言われたら」違いますよ言いますけど、激しく推し進めるだけじゃない成熟したムードに包まれた新生サウンドも悪くないですね。この独特の緊張感がまた良いです。

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