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Under Suspicion / DANTE FOX
火薬バカ一代 ★★★ (2018-08-16 00:09:28)
RADIO MOSCOW(DIAMOND HEADのブライアン・タトラーが結成したバンド)のメンバーだったギタリストのティム・マンフォードと、女性シンガーのスー・ウィレッツにより結成され、元々はレコーディング・プロジェクトとして始動、やがてはそれが正式なバンドへと発展していったというイギリス出身の4人組が、’95年にNOW & THEN RECORDSから発表した1stアルバム。
当時、日本盤がBAREKNUCLEからリリースされていて、DANTE FOXなんてバンド名だから「語感からしてシャープなHRサウンドを演ってそう」と(勝手に)期待して購入してみれば、実際に聴こえてきたのはかなりAOR/産業ロック寄りのサウンド。Gは要所でそれになりに存在感を主張しつつも、基本的には歌を引き立てる演奏に傾注。煌びやかなアレンジを施された哀愁のメロディが心地よく吹き抜けていく本編の主役は、飽くまで伸びやかさと力強さを併せ持ったスー・ウィレッツの歌声という塩梅です。
そんなわけで予想が外れてガッカリしたかといえば、実は全くそんなことはなく。寧ろこれはこれでありだな!と。ポップでキャッチー、世が世ながらヒット・チャートを席巻していてもおかしくなさそうなフックを擁し、またスー・ウィレッツの耳馴染みの良い歌声がそれを一層引き立てる収録曲の数々は、既にご指摘がある通りHEART(とりわけ『HEART』~『BRIGADE』の頃)に通じる魅力に溢れています。特に後年バンドがセルフ・リメイクする②は、DANTE FOXの魅力が凝縮された名曲の一つではないでしょうか。
国内未発売の3rd以降のアルバムも、ちょっとチェックしてみたくなりましたよ。

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