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DEAD LINE / DEAD END
失恋船長 ★★ (2018-08-21 14:23:30)
結成当初から人気バンドに在籍していたメンバーが揃っていたので知名度の高かったDEAD END。そんな彼らが挨拶代わりにリリースしたのが今作。正直レコーディング途中にギターの香川孝博が喧嘩別れ、その代わりに足立祐二が加入。その為にTERRA ROSAがギター不在になったという事件に見舞われ。個人的には随分と恨んだものですよ。
でもドラマーの田野もTERRA ROSAだったから必然的な流れでもある。これでLiar、Jesus、Terra Rosa組が揃ったと言う豪華さを純粋に楽しんだほうが良いでしょう。

良く動き回るベース、多彩なプレイスタイルを持ち合わせるドラム、滑らから様式美系のギター、そこに奇妙なヴィブラートを掛けた歌法が絡むと言うアンバランスな感覚を纏めたサウンドは唯一無二の個性となった。
ある意味、歌の持って生き方が日本的過ぎて苦手なのだが、それでも過激な歌詞同様、既成概念をぶち壊そうと噛みつく姿は、多くのフォロワーを生んだと言えるだろう。この歌に付き合えるかが評価を分ける最大のポイントだ。
ド派手なルックス同様、増本正志のベースはシンプルなルート弾きで終わる事のない派手なものが多く、とくに②などを聴けば、その目立ち方に驚くでしょう。全般的に彼が引っ張っている部分が強いのも1stの特色だろう。
プロデュースを務める田野のドラミングが根幹となり音楽性を纏めているとも言え、特に⑥のような曲では拡散傾向にある個性を見事に一つに集約させている。この辺りに彼の貢献度がデカイと思う。
バッキングはほぼ前任者、ソロは足立と言われているのだが、両者の特性の違いを楽しめると言うのも今作ならでは、見せ場は少ないが足立はらしいプレイで存在感を際立たせていましたよ。

所謂ヴィジュアル系バンドに多大なる影響を与えたと言われるバンド。刺々しくもキャッチーさのある音楽と言うのは今聴いても刺激的ですね。ただあまりにも神格化されすぎて、周りを取り囲む環境が残念すぎるのが難点。

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