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Terra Rosa Live from Coda / TERRA ROSA
失恋船長 ★★★ (2018-09-04 16:15:52)
日本が世界に誇れる様式美界のドン。我らがTERRA ROSAが赤尾重恵、岡垣JILL正志、そしてプレイのみならず作曲面でも多大なる貢献を果たしていたがDEAD ENDに引き抜かれた足立祐二の三人が一堂に会してライブを行う。この事実だけでも興奮は押さえられませんね。

しかも選曲がにくい、足立にはなじみ深いインディ時代の楽曲を中心に、音源として残っていない楽曲&書き下ろしの新曲もあったりと、単なるライブ盤の域を超えた充実感と希少価値の大きい作品になった。
天才ギタリストの名を欲しいままにしている足立のプレイは、今さらながら感嘆させられる。その才気にあふれたフレージングとテクニック、高い実績に彩られたプレイが醸し出す安定感、円熟味を増してはいるが、スリルを失わないライブならではの臨場感にか固唾を飲みます。ある意味、今のマイケル・シェンカーよりもマイケルしている男だろう。トーン一発で酔わせるギターは足立ならではの魅力だ。彼が抜けずに活動を続けてれば今日の評価もかなり違ったろうなぁと今回のアルバムを聴くほどに痛感しました。運も実力の内とは良く言った言葉である。

ヘルプではあるが佐藤潤一の柔軟なドラムスタイル、彼の粘り腰のグルーブ感はスタイルを選ばない、同じくMASAKIのベースも無難な形で収まっている。MASAKI自身はもっとやれるのだろうが、こういうタイプのバンドでも違和感なく溶け込める柔軟さは重要だ。

名うてのミュージシャンが集い作り上げたステージ。その魅力を堪能できるライブ盤。昨今のテクノロジーの発達もあり生々しいステージをパッケージしている。様式美系に興味のある方は勿論だが、TERRA ROSAファンにとっても貴重なライブ音源となるだろう。解散ライブはバンドがバラバラだった。山口氏のトリビュートライブも限定品だし、今作のもつ価値は個人的には計り知れない。ましては足立が参加しているのだから。

恩讐を乗り越えて再び合流を果たした黄金期のラインナップ。我の強い岡垣に嫌気を差しメンバーが固定出来なかったと言われたバンド、アルバム毎に看板ギタリストが抜け新ギタリストでレコーディングを行うと言う稀有なケースが訪れる不運が常に、このバンドにはつきまとっていましたが、ここいらで一発新録アルバムに期待したいものです。新しい歴史の扉を開いて欲しいねぇ。

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