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Absurdity / UNITED
火薬バカ一代 ★★★ (2018-09-06 23:18:04)
前作『TEAR OF ILLUSIONS』に参加したクウェート人シンガーKEN-SHINの脱退に加えて、バンドの「顔」であった最古参メンバー横山明裕の急逝というUNITED史上最悪の悲劇を経て、'18年に発表された10枚目のフル・アルバム。
予想の範疇だったKEN-SHIN離脱はさておき、横山の喪失はバンド解散に直結したっておかしくない出来事であり、それを乗り越えてアルバム・リリースに漕ぎ着けてくれたUNITEDには感謝の念を禁じ得ません。かくて、購入前から評価に下駄を履かせる気満々で聴き始めた本作でしたが、そんなこちらの木っ端役人の如き忖度なんぞ「無用!」とばかりに吹っ飛ばすクオリティに、逆にボコボコに叩きのめされた次第。
それにしてもシビれるのは、原点回帰の姿勢が伺えた『TEAR~』をも上回るスラッシュ・メタル度数の高さですよ。カリカリのGリフに、小気味良く畳み込むリズムと、彼らがここまでストレートにスラッシーなサウンドを打ち出すのは2nd『HUMAN ZOO』以来じゃないでしょうか?モダンな怒号スタイルだった前任者に対し、オールドスクールな咆哮を轟かせる湯浅正俊の野太いVoと、全編に亘りメロディックに弾きまくる吉田“HALLY”良文&大谷慎吾のツイン・リードGもそれを援護。特に、一気呵成に襲い来る②③、勇壮な④、ANZAのスキャット⑦をイントロ替わりに突っ走る⑧、落差の大きな曲展開が劇的な大作ナンバー⑨といった楽曲におけるGコンビの踏ん張りからは、これからのUNITEDを背負って立つのは俺達だ!と言わんばかりの鬼気迫る「覚悟」が迸っているかのようです。
傑作だった前作を更に上回る、7年待った甲斐のある充実作。

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