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Young Man's Blues / ROCK CITY ANGELS
失恋船長 ★★ (2018-09-25 14:32:32)
80年代の後半に巻き起こったBACT TO 70’。そのムーブメントを牽引したのは空前の大成功を収めた苦労人バンドGN'R。それまでのヘアメタル勢に対するアンチテーゼとしてジワジワと売り上げを伸ばし最終的にはヘアメタル勢が道を切り開いたMTVの影響もありシーンの勢力図をあっと言う間に塗り替える事になるとは驚いた。
確かに飽和状態のシーンへ、次の一手を模索していた売り手と、浮かれまくっているアーティストに辟易としてはファンにとっては、ラフでスリージーなブルースベースのハードサウンドは、ギミックなしのカッコよさがあり次の時代への道しるべになるには十分なインパクトがあった。ZEPとかめちゃくちゃ見直されたしエアロも再結成していたしね。お膳立てが揃った中で、次にゲフィンが目をつけたバンドがコチラのグループになります。

すでに英国のDOGS DAMOURなんかがいち早く紹介されたり、QUIREBOYSなんかも流れの中で大きく取り上げられるバンドとなりました。それだけに、このバンドを紹介したゲフィンの力の入り方も目に浮かびます。泥臭いブルースベースと思いきや、思いのほかスッキリと聴かせる南部譲りのサザン風味のあるクラシックロックサウンドで勝負。嫌みのない作り込みと、やはりアメリカンなロックがもつアルコールの匂いがする退廃的なムードと、ロックなグルーブが独特の空間を生み出し聴き手を痺れさせますね。
ホーンセクションも導入したファンキーなナンバーや軽快なノリとキャッチーさが満載のロックナンバーありと、レイトバックさせつつも古臭さに埋没しない旬な作りに大手の力を感じますね。

個人的には、その作り込みの上手さが逆に亜流感は激増させ、なんとも底の浅い音楽に聴こえてしまうのが難点。それもこれも、この手のアメリカンロックに対して蘊蓄を語れるほどの知識と興味がないだけかも知れませんが、どうしても流行りもんというカラーが払拭出来ていないのが残念。クオリティの高さにケチのつけようはないし、ワタクシのような貧乏耳のD級メタルマニアの戯言です。80年代後期に表れた懐かしきサウンドが好物な方は楽しめるでしょう。爆発力はないが堅実ですよ。

ちなみにこのバンドがマニアのハートを擽り続けるのは俳優として大成功する、あのジョニーデップが在籍していたバンドであり、③曲目のクレジットに彼の名前も見られるのが、バンドとしての価値を高めているのが皮肉ですね。

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