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Kaizu / KRUBERABLINKA
失恋船長 ★★★ (2018-10-06 15:49:23)
クルベラブリンカと読みづらいバンド名でよかったんかといつも思うが、音楽性は非常に分かりやすいメロディックな古典的スタイル。それもTERRA ROSAの看板シンガーだった、赤尾和重が中心となり立ち上げたバンドだからだろう。ギターには盟友鈴木広美も加わり動き出したのだからファンならだれもが、あの幻想を追い求めてしまう。
老獪なテクニックを駆使して歌い上げる赤尾のストリーテラーとしての存在感も最大限に発揮。その魅力は躍動感にあふれたオープニングの『宇宙は滾れ』を聴けば分かってもらえるでしょう。テクニカルなギターもスリリングなだけではない、叙情性とエモーショナルな響き、その音を選ぶセンスもまたベテランの旨味。音楽性自体は様式美を感じさせる王道路線だが、音作りもアレンジも過去にしがみ付くだけではない新鮮さもあり、聴き応は十分だ。緩急をつけたダイナミックな演奏に支えられる楽曲には、TERRA ROSAファンにとってはガッツボーズ連発の名作であることに疑いはない。
またなまじ手を加えない録音体制が生み出すライブ感も心地よく、その生っぽい音作りには一日の長を感じずにはいられませんね。
重厚なる古典ロックの血脈を守る国産メタル最後の砦。なくしてはならない伝統芸能に、かつてのメタルシーンへの憧憬をも抱かせます。
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