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Face to Face / AFFAIR
失恋船長 ★★★ (2018-10-25 12:28:53)
ギターのボビー・アルトヴェーターがプロデュースに作曲とすべての実権を握るプロジェクトのデビュー作。国内盤はAVEXのBareknuckleです。
適度なハードさとロックスピリットも根ざしたサウンドは、ドイツ産らしい堅実な作りが施されており、職人技の冴えわたる丁寧な作品。この手のメロディックサウンドは丁寧さがあればある程良い。
ここで歌うのがCrossfireにOstrogoth等のベルギー産パワーメタルバンドのシンガーを務めたピーター・ディ・ウィント。確かにMysteryにもいたけど、あの力技の野暮ったい声がねぇ、ここまでこなれているとは驚きです。本人も相当修練を重ねたでしょう。抑え気味ですが我慢できずにパワーメタルシンガーの顔をのぞかせるのはご愛敬、少々大げさに歌い上げる瞬間も様になっています。随分と成長したなぁと感心しました。無難だがコーラスワークの付け方など爽快感もありフックになっている、このあたりも暑苦しい歌声を緩和するのに手伝っていますね。

叙情味のある欧州テイスト、その親しみやすいメロディはヨーロッパの大衆音楽に通ずる魅力があり(シュラガーってやつだっかな?)この手のバンドに無くてはならない魅力を携えている。これは多くの欧州系のバンドに通ずることなのだが、90年代に、この純度の高さは見逃せませんね。バラード⑥から温かみのあるアコースティカルなインストナンバー⑦への流れ、そこからガッツィーだがメロディアスな⑧へと進む姿に頼もしい。他にもハイライトとなる場面も多く訪れ、どの曲にも時代性を見越したアレンジが嫌みなく取り込まれているのも素晴らしい。

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