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Проклятье Морей / Ария(ARIA)
失恋船長 ★★★ (2018-11-17 14:07:48)
ロシアンメタルの皇帝。我らがアーリアが4年の時を経てリリースされたスタジオアルバム。その間にもベストやライブアルバムなどをリリース、世界市場にも打って出ると言う好機を迎え遂にはアメリカでのライブを行ったと言うのだから驚きです。トランプ政権になったんで今は厳しいでしょうけど、自ら開いた門戸を閉じる事無くユーロ圏のみならず西側諸国にも、その名を轟かして欲しいものです。
サウンドの方は変わりません。ロシアンな独特のメロディセンスと、アイアンメイデンに触発された古典的HM/HRサウンドを軸にドラマ性の高いアーリアワールドを披露しています。ここ数作は多少なりとも時代への接近を彼らなりに意識した部分は感じられたが、今作ではそういった要素を排除。自らの信念たるメタルスピリットを完璧に描き上げた構築美学は、過去最強の出来栄えを誇るでしょう。自らとして、そしてロシアンメタルとしても新たなる聖典とも呼ぶべき快作。
静と動のコントラスを生かした劇的な展開、練り込まれた深遠なるドラマ、古典的な様式を硬くなに守る伝統様式、現存する正統派と定義されるバンドの中でも最高峰に位置するバンドに相応しい内容となっています。
広大なロシアの地は勿論ですが、東欧圏のみならずユーロ圏では絶大な知名度を誇るロシアのメタルパイオニア。その存在をありがたがる事無く出している音が、いまだに現役感を損なうどころか、より深く進化しているのが最大のポイントだ。
ツインギターコンビが織りなすドラマティックなアンサンブルの数々、緊張感を高めつつボトムを支えるリズムプレイ、そしてバンドの顔となるシンガーの見事な歌いっぷり。メロディアスで叙情性も高いのに、刺激的な攻撃性が放つ高揚感と豊かなドラマ、東欧のみならず欧州産HM/HRが持つエッセンスを網羅した集大成とも言える一枚だろう。またミキシングにロイZが参加しているも安心材料の一つでしょう。
まだ見ぬ大物、こういうバンドを招聘出来て初めてメタルフェスなんだけどね。アメリカで人気のオシャレメタルに興味を持てない筋金入りのコアなファンに目を向けて欲しいねぇ。
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