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Cycle of the Moon / PROPHET
火薬バカ一代 ★★★ (2018-12-11 22:58:53)
名盤『聖なる予言』(’85年)発表後にディーン・ファザーノが脱退。新Voに、後に自らのバンドARCARAを率いて再び日本デビューを飾ることとなるラッセル・アルカラ(Vo)を加えたPROPHETが、'88年にMEGAFORCE RECORDSから発表した2ndアルバム。
QUIET RIOTとの仕事で有名なスペンサー・プロファーをプロデューサーに起用する人選からも明らかな通り(レーベルにあてがわれた可能性大)、Keyをたっぷりフィーチュアしたプログレ・ハード風味を大きく後退させた今作は、代わりにスコット・メタクサス(G)のGプレイをより前面に押し出した、明朗なポップ・メタル・テイストが大幅増量。憂いに満ちたドラマティックな名曲“STREET SECRETS”からスタートした前作に対し、今回の幕開け役を担うのが開放的なノリを伴うグルーヴィなHRチューン①であることも、そうした方向性を如実に物語っているという。
そんなわけで掴みは少々弱く、哀愁やドラマ性を求める向きには若干の肩透かし感は否めない本作ですが、それでもスコットのGがよく歌うハードポップ・チューン②④、楽器陣のテクニカルな演奏を活かしたスペーシーなインスト曲⑨、ノリノリにラストを〆る疾走ナンバー⑩といった楽曲は、これはこれで悪くない(というか結構良いですよ)。重厚なKeyに彩られたプログレ・ハード路線のドラマティックな③や、KANSASの名バラード“すべては風の中に”を引き合いに出して語りたくなる抒情ナンバー⑥といった、前作に収録されていてもおかしくない楽曲の存在も、本編をグッと引き締めてくれています。
前作との比較ではなく単体で評価すれば、立派に「名盤」と呼べる品質を保った1枚かと。

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