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Long Hard Look / LOU GRAMM
火薬バカ一代 ★★★ (2018-12-13 23:39:09)
80年代半ばを過ぎると、FOREIGNER内部ではバンドの方向性を巡ってミック・ジョーンズとルー・グラムの対立が深刻化。ガス抜きの意味合い込みで制作された1stソロ『READY OR NOT』(’87年)が一定の成功を収めたルーの心はますますバンドから離れていき、決定打となったのが’89年に発表されたこの2ndアルバムだったという。(本作リリースの時点で既に彼はFOREIGNERから脱退していたとの説もあり)
主な参加ミュージシャンはルー・グラム以下、ブルース・ターゴン(B)&ヴィヴィアン・キャンベル(G)という後年SHADOW KINGに関わることとなる面々や、実弟のベン・グラム(Ds)、ダン・ハフ(G)といった顔触れ。無論主役はルーのVoであり、シングル・カットされTOP 10ヒットとなったポップな②や、琴の音色をフィーチュアしたオリエンタルなバラード⑦における、ソウルフル且つ伸びやかな美声には聴き惚れずにはいられません。その一方でスケールの大きなOPナンバー①を手始めに、ビートを効かせたロック・チューンもどっしりと要所を引き締めており、Keyがドラマティックな盛り上がりを演出する④(こちらはもシングル・カットされ、チャート最高第40位を記録)、ヴィヴィアンのGが唸るヘヴィな⑥、印象的なGフレーズを振りまきながら溌剌と駆け抜ける⑧、哀愁を湛えた重厚なミッド・チューン⑨といった楽曲辺りからは、シンセ主体のバラード路線に舵取りを進めたがったミック・ジョーンズに対し、「もっとロックすべき」と主張して譲らなかったルー・グラムの気骨が感じ取れるような気がしましたよ。
国内盤の『ロング・ハード・ロック』の誤植もあながち間違いとは言えない1枚かも?

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