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Treat / TREAT
失恋船長 ★★ (2018-12-22 06:43:26)
デビュー時からアメリカンロック志向が強かった北欧のバンド。作品を重ねる度にメインストリーム寄りの作品を連発、前作など良く言えば間口を広げた、悪く言えば散漫になった、そんな印象を強めた中でシンガーが元Swedish Eroticaのマッツ・レヴィンに交代。察しの早い方なら音楽性が、どっちの方向に進んだかは分かるでしょうね。
そんな予想通りの作風に舵を切ったアルバム。時代は1992年ですからね、メインストリームと言っても華やかなサウンドではなくへヴィでグルーブ感の強いサウンドが主流、彼らもその路線にならい方向転換です。
頭3曲が余りにも今までの流れと違うために多くのファンは戸惑ったでしょう。個人的には前作もかなり前半、やりに言っているので正直言って驚いていない。むしろアルバム全部、琴線に引っ掛かる事など皆無なので問題では無かったりする。

④以降はマッツの骨太な歌唱スタイルも生きるエモーショナルかつグルーヴィーだがメロディは北欧産と言う離れ業サウンドを披露。アメリカン度は楽曲によって配分は変わるが、このあたりも前作の流れを踏襲しており驚く事ではない。大きな変化と言えば時代であり、このバンドは常に時代を見据え音楽性を拡散してきた主流派タイプと言えるだろう。
グランジ・オルタナブームをも飲み込もうとした頭3曲でダメージを喰らったファンは、ベホイミ程度の回復呪文では戦えない程の深手を負ったのだろうが、④⑥⑦⑩などはマッツ・レヴィン加入の意義を存分に味わえる楽曲が揃っていると思う。アメリカン志向と欧州テイストの融合。マイナーではなくメジャーな質感を明確に感じさせる楽曲は、このバンドの名に恥じない名曲でしょうね。

ちょっとでもモダン臭がしてきたら拒絶反応を示す潔癖なファンには薦めませんが、前作のように時代に合わせ変貌するのが、このバンドと思える方なら、92年仕様のTreatとして割り切り楽しめるでしょう。ワタクシも今回、久しぶりに頭3曲を聴きました。
重ね重ね言いますが④以降はアメリカンのバンドにはない、メロディセンスが味わえます。それが北欧でありTreatなんですよね。

そう言えばEuropeの再結成作もダークな70年代型ロックに回帰していたが、今作も同じような感覚で作り上げられたのかも知れませんね。実に興味深い仕上がりでした。

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