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Coup de Grace / TREAT
失恋船長 ★★★ (2018-12-22 07:12:50)
時代の流れに抗う術もなく解散に追いやられたバンドは数知れず。北欧のTreatもメインストリーム寄りのバンドではあったが、萎んでいくシーンの中でフェードアウト。そして2010年にリバイバルブームの追い風もあり、再始動を果たす事となる。シンガーとソングライティングチームの復権はファンにとっては期待も大きいでしょうが、今作の変貌ぶりにも驚いた。
デビュー時から常に○○風のイメージが強かったバンド。作品前に時代の流れを読み、どれがTreatなのかと言いたくなる楽曲も多く4thなどかなり、やりに行ったアルバムであり、売れる為ならば、なりふり構わないという姿勢も伺える八方美人バンドと言えるようなメインストリームロックであった。
今作は、洗練されたメジャー感を武器に、過去にはない自らのアイデンティティが息づいている。3rdの後にリリースされるのは、こういったサウンドじゃなかったのかねぇと言いたくなる充実した内容になっています。
欧州的な泣きメロを生かしたフックに富んだ哀愁のメロディとメジャーな洗練度。紆余曲折を経て辿りつたいた音楽性が過去一番個性的であり、北欧のバンドらしさを感じさせるとは因果を感じずにはいられません。漫画ベルセルク風に例えるのなら、これも不文律という奴なんでしょう。
過去の作風を期待すると、かなり冷ややかなメロディが強調されている為、違和感を覚えるかも知れませんが、北欧メタルが好きな方なら安心して楽しめるでしょうね。
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