この曲を聴け! 

Dead Song / GASTANK
火薬バカ一代 ★★★ (2019-01-07 23:54:03)
国内のメタル/パンク・バンドはもとより、X、DEAD END、黒夢といったビジュアル系バンドにも影響を与えたことで知られるGASTUNKが'85年に発表した1stアルバム。
名をGASTANKと改めたメジャー・デビュー後は、急速に楽曲のメロディアス化を推し進めていくこととなる彼らですが、カオティックな序曲①にて立ち上がり破壊的な②へと繋ぐ本作において披露されているのは、ハードコア/パンク成分とHM成分が激しく拮抗するサウンド。であればこそ、シャウトと歌い上げを目まぐるしく使い分けるBAKIのVo、攻撃的にのたうち廻るBABYのB、切れ味鋭くメロディックに駆け巡るTATSUのGといった、各セクションの個性的なパフォーマンスが一層際立ちます。
轟然と唸りを上げるBがリード楽器の役割を担って突っ走る④や⑤といった直線的なアグレッションを撒き散らかす楽曲が存在感を放つ一方、バンドの活動テーマであり歌詞としても歌われている「HEARTFUL MELODY」も各曲を効果的に彩っていて、ハードコア調のリフ&リズムとヘヴィ・メタリックな歌メロの組み合わせがユニークな⑥、個性的なラインを刻むBの上で泣きのGソロが華麗に舞う様がIRON MAIDEN風ですらある⑧、そしてアルバムの最後を悲痛に締め括る名曲中の名曲、慟哭のヘヴィ・バラード⑨等は特に初期GASTUNKの個性が脈々と息衝く本編のハイライトではないかと。
昔は「METALLICAが認めたバンド」とか、絶賛の声が積み上がれば積み上がる程に敷居の高さを感じ構えてしまっていたのですが、実際に聴いてみればパワー/スラッシュ・メタル好きなら理屈抜きに楽しめる1枚だったという。

→同意