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Growing Up the Hard Way / MAMA'S BOYS
火薬バカ一代 ★★★ (2019-01-11 00:18:45)
パット(G)、ジョン(B)、トミー(Ds)のマクマナス三兄弟により結成されたアイルランドの電撃三銃士ことMAMA’S BOYSが、専任シンガーとしてキース・マレル(Vo)を迎え入れて4人編成となり、'87年に発表した5thアルバム。(邦題は『栄光へのハード・ウェイ』)
マネージメントとのトラブルや、末っ子トミーの白血病再発といった苦難を経てリリースに漕ぎ着けた本作で聴けるのは、マイルドな音作り、キースのスムーズで伸びやかな歌唱、脇に下がったリズムに格段にフィーチュア度の高まったKeyの存在といい、HR/HMというよりはガッツリAOR/産業ロックのフィールドに足を踏み入れたサウンド。哀愁のHRナンバー“夢見る逃亡者”に涙した古参ファン諸兄がこれ聴いて肩を落とした気持ちは非常によく分かりますし、自分も彼らの入門盤に本作を薦めることはまずありませんが、それでも個人的に初めて聴いたMAMA’S BOYS作品だったこともあり、どうしても嫌いになれない…寧ろ積極的にプッシュしたい1枚だったりするこのアンビバレンツな乙女心よ(?)。
確かに楽曲自体は、「電撃」というよりも最早「電気マッサージ」ばりの心地良さに満ち溢れているものの、例えば曲調はメロハーそのものながら、パットのGソロから放たれる泣きにはAOR/産業ロックの領域からは明らかにはみ出す熱き血潮が迸っているOPナンバー①が体現する通り、決して本作はこのバンドの個性が脱臭されてしまったような内容ではないのですよ。キースの絶品の歌唱が堪能できるバラード⑥や、ラストをしめやかに締め括る渋い泣きのインスト・チューン⑨辺りも実に味わい深い逸品。
国内盤が長いこと廃盤のままほったらかしなので、ぼちぼち再発してくれないものか。
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