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Aldo Nova / ALDO NOVA
火薬バカ一代 ★★★ (2019-01-18 00:10:33)
書き、歌い、弾き、奏で、アルバムのプロデュースまでこなす八面六臂の大活躍。カナダ出身のマルチ・アーティスト、アルド・ノヴァの名を一躍世界に知らしめた’82年発表のデビュー作がこちら。(邦題は『ナイト・ファンタジー』)
アルバムのOPを飾るのは、アルドの活きのいいGプレイと甘い歌声(技量的に評価が割れるのは止む無しながら、歌メロは十分魅力的)、それに柔和なKeyアレンジが映える、全米シングル・チャート最高第8位にランクインを果たしたポップな代表曲“FANTASY”。この曲の後に続くヒットに恵まれなかったため「一発屋」扱いされることも多い彼氏ですが、キャッチーなメロディ満載で贈る本作が“FANTASY”一発に頼りきった内容なのかと言えば、さに非ず。躍動感溢れる③、シリアスなHRチューン⑥、プログレ・ハード風味も入ったドラマティックなバラード⑨、シンセを纏って明るく跳ねる⑩等、何だったら“FANTASY”が平凡な楽曲に思えてしまうぐらい他の収録曲の粒も揃っていますよ。
中でも個人的にグッと来るのが、憂いに満ちた抒情ナンバー④のエンディングの余韻を、哀愁を湛えて駆け抜けるロック・ソング⑤のハードなイントロへと繋ぐメリハリの効いた構成。未だにこの流れのカッコ良さには思わず握り拳を固めたくなるという。
アメリカだけで200万枚の売り上げを記録したのも納得の、アルド・ノヴァというミュージシャンの豊かな才能の迸りが克明に捉えられた好盤(この人が残した作品にハズレはないなぁ)。そういえば新作リリースの話はどうなった?

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