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Khymera / KHYMERA
火薬バカ一代 ★★★ (2019-02-08 00:27:06)
イタリアのプログレHMバンドEMPTY TREMORのKey奏者ダニエレ・リヴェラーニが、自身が主導したロック・オペラ・プロジェクトを通じて親交を深めたKANSASのスティーヴ・ウォルシュをシンガーに起用して、FRONTIERS RECORDSのバックアップの下、マイク・スラマーをプロデューサーに、ジョー・ヴァナ(MECCA)、トム・グリフィン(TRILLION)、ビリー・グリアー(STREETS)らをゲストに迎えて立ち上げたプロジェクトが、'03年に発表した1stアルバム。
ジョルジオ・モロダー、ジム・ピートリック、デヴィッド・フォスター、マーク・スピロ、ロビン&ジュディスのランドール母娘等、作曲陣も実力者が顔を揃えていますが、書下ろしの楽曲は殆どなく、本編は他アーティストに提供された既発メロディック・ロック・チューンの再録が中心。「カヴァー・アルバム」とも言える内容…と聞くと「ちぇっ、なんでぇ」と思われる方もいらっしゃるでしょうし、実際プロジェクトとしての真価は次作以降に譲りますが、それでもチョイスされているのがMR. BIGが映画『ネイビー・シールズ』のサントラに提供していたHRチューン②③、哀愁のヴァースからポップなサビへと盛り上がっていくメロディ展開が素晴らしい⑤、次々に表情を変えるメリハリの効いた曲展開が印象的な⑨、HARDLINEの名盤『DOBLE ECLIPSE』(’91年)収録の感動的な名曲として知られる⑪等々、いずれ劣らぬ逸品揃いな上、それをオリジナル・シンガー達にも負けないエモさでスティーヴ・ウォルシュが歌い上げてくれているわけですから、これで文句付けたらバチが当たるってぇもんですよ。
本作の好評を切っ掛けにKHYMERAが継続的プロジェクトとして始動することとなったのも得心する、ダニエレのセンスの良さが存分に発揮された1枚。

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